更新日:2021/5/10
先日、通勤中にふととなりのビルの花壇を見ると、紫色のつるが生えていました。
これを見た私は、心の中で「ああ~」と叫んでしまいました。
以前の嫌な思い出が思い起こされます。
この紫色のつる草は「ヤブカラシ」。ブドウ科ヤブガラシ属つる植物です。
この植物は、ほかの植物の上に重なって葉を茂らせ、下の植物の成長を阻害します。
時には下の植物を枯らせてしまうことから、「藪枯らし」の和名がつきました。
駆除が困難な雑草の一つでもあり、強靭な地下茎が少しでも地中に残っていると、、、
必ず春に新芽を伸ばし、やがてはもとから植わっている植物を圧倒してゆく、恐ろしいまでの繁殖力を持つ植物なのです…
それが、私の見つけた紫色のつるだったのです。
以前、私の実家にもヤブカラシが自生していました。
最初は非常に小さい姿だったのか、その存在に全く気が付きませんでした。
ヤブカラシの存在に気付いた後も、丁度仕事が忙しい時期だったこともあり、いつか駆除しようと思っているうちに、ヤツは成長してしまいました。
大きく成長したヤブカラシは、生け垣に絡み、葉を茂らせ、花を咲かせ始めたのです。
この植物の花は小さいわりに、蜜の量がとても多いそうです。
蜜を求めて、アゲハ蝶が盛んに飛来するようになりました。
しばらくアゲハの優雅な姿に癒されていましたが、やがて蜜を求めて、
スズメバチが来るようになりました。
スズメバチが来ると困るので、重い腰を上げ駆除することにしましたが、コイツの除去には手間と時間がかかりました。
まず、茎が硬くて、木からはがす作業が非常にやりにくい!
そして、駆除するためには、地上部分だけでなく地下茎を取り除く必要があります。
しかし、木の根元に地下茎があると、地面を掘って地下茎を除去することは難しいのです。
結局、新芽が生えるたびに除草することにしました。
ヤブカラシが力尽きるまでこれを繰り返すこととなり、非常に大変でした。
隣のビルにヤブカラシがあったとしても、都心なのでスズメバチは来ないと思いますが、今叩かないと、やがて針金のように固いつるが繁茂し、もともと植わっている植栽が枯れかねません。
今のところ駆除される様子はないので、手の届く範囲のつるを数本抜いておきました。
手の届かない範囲は…
まあ、うちの庭ではないからいいか…
【おまけ】
先輩がこのコラムを読み、ヤブカラシについて検索している姿をふと見ると、検索結果に黄色い花が表示されていました。
私の知っているヤブカラシとは全く違う、菜の花に似た姿に、強烈な違和感を感じ、よく調べると、「ハルザキヤブガラシ」という植物でした。
アブラナ科の外来種で、漢字で書くと、「春咲藪芥子」。つまり、カラシナ(マスタード)の仲間のようです。
「藪枯らし」と、「藪芥子」、紛らわしい名前ですね…