SRS(衝撃応答スペクトル)を用いた衝撃試験
~ハンマリング衝撃試験のご紹介~
SRSを用いた衝撃試験は主に航空宇宙分野で行われ、複雑な衝撃応答を再現する必要がある部品や機器に対して落下による衝撃を与えることで試験されます。被試験機器に対して、この衝撃がどのように影響したかを判断するためにSRS解析が用いられます。最近では自動車の分野でもSRSを用いた衝撃試験が行われるようになってきましたが、落下型の衝撃試験では6dB/oct以外のSRS勾配を実現することが難しく、単一条件での試験しか行うことができない為様々な条件での検証を行うことができません。
ハンマリング衝撃試験では、ハンマによる打撃を用いた衝撃試験器を使用することで5~10dB/oct(条件による)のSRS勾配を持つ試験が可能になります。
ハンマリング衝撃試験器の特徴
- 100G~数千G、 数百Hz~数千HzにSRSの折点を持つ試験条件に対応可能
- 落下型衝撃試験装置で実現が難しい6dB/oct (50Hz 10G~4000Hz 850G)の試験や、これ以外のSRS勾配の試験(4dB/oct、12dB/octなど)が可能
- 数百g~数十kgの供試品の試験が可能
- 多くの場合、単純なアルミ板に供試品を取付けるだけ
- 治具の共振を利用するため、条件出しが事前に必要
ハンマリング衝撃試験器の概要
- 発生SRSSRS勾配:4dB/oct~12dB/oct(条件出しが必要。試験条件、供試体諸元等によっては発生不可能な場合があります)
- 供試品諸元
形状: 約500mm以下(高さ方向は任意)
重量: 約20kg以下
(上記条件はあくまで目安です)
図1 SRS勾配:6dB/oct
試験フロー概略
- 供試品取付治具にダミー供試品を固定
- 面内方向試験は面内打撃用、面外方向は面外用ハンマをそれぞれ使用して供試品取付治具に打撃を加え、衝撃を発生させる。(ハンマ振り上げ角、ハンマ質量、緩衝材等を変化させ試験条件を達成させるパラメータを探す)
- ダミー供試品を供試品に付け替えて、2で決定したパラメータで試験を実施
実施例
SRS勾配が6dB/oct以上の場合(9dB/oct)
SRS勾配が6dB/octの場合
SRS勾配が6dB/oct 以下の場合(4dB/oct)
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