航空搭載機器の環境試験
RTCA/DO-160規格の事前検証サービス
航空搭載機器の民間用規格「RTCA/DO-160」
航空機に搭載される電装品・部品にはクリアしなければならない試験規格が定められています。機体に搭載される電装品・部品は全てこの規格に準拠する必要があり、用途や目的に応じて適応する試験規格が異なります。
試験規格は、主に軍事用・民間用に分かれますが、今回は民間用規格「RTCA/DO-160」に関する各セクションの内容と、事前検証にご利用いただけるサービスについてご紹介いたします。
RTCA/DO-160規格の概要
DO-160は、RTCA(the Radio Technical Commission for Avionics)という業界団体が策定した航空機搭載機器に対する環境条件と試験手順です。
RTCAは政府規制ではありませんが、FAA(アメリカ連邦航空局) や EASA(欧州航空安全機関) などは、RTCA/DO-160を引用して認可していることが多く、航空宇宙分野における標準的な試験要件とされています。
試験の目的と適用範囲
DO-160に規定される各種環境要求条件は左記のとおりです。
具体的な環境要件基準はセクション4.0~26.0で構成され、航空機が遭遇する多様かつ過酷な環境条件の下でも安定して動作することが求められております。
現在、DO-160は小型民間航空機、ヘリコプター、ジャンボジェットなど、あらゆる航空機に適用されております。
DO-160規格 -各セクションの内容-
-
- セクション 4.0温度及び高度
- セクション 5.0温度変化
- セクション 6.0湿度
- セクション 7.0運用衝撃及び破壊時の安全性
- セクション 8.0振動
- セクション 9.0防爆性
- セクション 10.0防水性
- セクション 11.0流体感受性
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- セクション 12.0砂じん
- セクション 13.0かび抵抗性
- セクション 14.0塩水噴霧
- セクション 15.0磁気影響
- セクション 16.0入力電源
- セクション 17.0電圧スパイク
- セクション 18.0音声周波伝導妨害感受性(電源入力)
- セクション 19.0誘起信号妨害感受性
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- セクション 20.0無線周波妨害感受性(放射及び伝導)
- セクション 21.0無線周波エネルギーのエミッション
- セクション 22.0雷誘起過渡妨害感受性
- セクション 23.0直撃雷の影響
- セクション 24.0着氷
- セクション 25.0静電放電
- セクション 26.0火災、燃焼性
試験設備利用サービス事前検証にご利用いただけるサービス
複合環境試験機を用いた信頼性評価・性能検証を行えるサービスです。
当社パートナーが保有する設備を一時的にご利用頂くことで低コスト化を実現します。また、現地ではオペレーション・スタッフが試験機器の設定・操作を行うため、測定対象物をお持ち頂くだけで性能評価が可能となります。
恒温温度衝撃試験槽
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温度 × 衝撃
恒温槽
- 槽内寸法
- 1,200×1,100×1,600mm
- 温度範囲
- 60~300℃
- 温度分布
- ±2.0℃
- 槽内寸法
- 1,500×1,500×1,000mm
-
高温恒温機
- 温度範囲
- 60~220℃
- 温度上昇時間
- 60→220℃ 20分
- 温度設定精度
- ±2.0℃
低温恒温機
- 温度範囲
- -65~60℃
- 温度降下時間
- 20→-75℃ 150分
- 温度設定精度
- ±2.0℃
-
温度衝撃エリア
- 温度復帰性能
- 高温さらし135℃ 4時間
- 低温さらし
- -54℃ 4時間
- 周囲温度20℃、熱容量
- アルミ50Kg
- 温度復帰時間
- 5分以内
(アルミ100Kg負荷の場合にはLN2使用にて)
- 温度分布
- ±1.0℃
- 棚板耐荷重
- 20Kg
(平均分布荷重)×2
恒圧恒温(高度)試験槽
-
温度 × 圧力
-
恒温機
- 温度範囲
- -70~180℃
- 温度調節巾
- ±0.5℃
- 温度分布
- ±2.0℃(150℃)
±2.5℃(180℃)
- 温度上昇時間
- 20℃→150℃
80分以内
- 温度降下時間
- 20℃→-70℃
120分以内
- 許容発熱負荷
- 500w(-70℃)
-
恒圧機
- 圧力範囲
- 760(大気圧相当)~1mmHg
(高度150,000ft相当)
- 圧力調節巾
- ±1.0%0~760mmHgレンジ
±1.0mmHg0~130mmHgレンジ
- 圧力降下時間
- 760→8mmHg 15分以内
- 圧力上昇時間
- →760mmHg5分以内
(手動加圧弁使用)
- 床面耐荷重
- 100Kg(平均分布荷重)
- 棚板耐荷重
- 30Kg(平均分布荷重)
- 槽内寸法
- 1,000×1,000×1,000mm
恒温恒湿振動試験槽
-
(温度+湿度) x 振動
-
恒温恒湿機
- 温度範囲
- -60~180℃
- 温度調節巾
- ±0.5℃
- 温度分布
- ±2.0℃(150℃時)
- 温度変化速度
- -54~71℃(平均5℃/分)
- 許容発熱負荷
- 500w(-60℃)
- 湿度範囲
- 20~95%R.H.
- 湿度調節巾
- ±3%R.H.
- 湿度分布
- ±5%R.H.
- 棚板耐荷重
- 30Kg(平均分布荷重)
- 槽内寸法
- 1,000×1,200×1,000mm
-
振動試験機
- 加振力
- 26.7kN(2,720kgf)
- 振動数
- 5~3,000Hz
- 変位
- 50.8mmp-p
- 最大加速度
- 無負荷980m/s2(100g)
- 最大速度
- 1.5m/sec
- 最大搭載重量
- 454kg
加振能力
- 20Kg 負荷時
- 598m/s2(61g)
- 50Kg 負荷時
- 353m/s2(36g)
- 100Kg 負荷時
- 206m/s2(21g)
上記設備は一例となります。試験内容・スケジュール等については事前確認が必要です。
計測器レンタルサービス事前検証にご利用いただけるサービス
最短5日間~数年にわたる長期まで、お客様が必要とされる試験装置・計測機器をレンタルでご提供いたします。
レンタル在庫品のご提供はもちろんのこと、設備導入における新たな調達プランとしてレンタルを活用することが可能です。詳しくはお気軽にご相談ください。
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