自動車に搭載された様々な電気/電子部品の誤動作は、その程度により軽度の問題から大事故につながる問題まで様々な影響をもたらします。
これらの部品/モジュールは、車外から及び他の電気/電子デバイスから放射された電磁波による干渉への高い耐性を持つことが必要になります。
ISO 11451シリーズは車両、ISO 11452シリーズは車載部品(ESA)についてその耐性を試験します。
ISO 11451-2は、車両が車両外から受ける電磁妨害についての耐性を試験します。
アンテナを使用して車両に照射することから電波暗室を使用しなければならならず、事前に試験を行うことは困難なために最近ではシミュレーションによる解析も行われています。
ISO 11452-2は、車内外から放射された電磁化のESAへの影響について試験します。
電波暗室(ALSE:Absorber-Lined Shielded Enclosure)内において送信アンテナから放射された電磁波に、対象となるESA及びそのハーネスを曝します。
ISO 11452-3は、アンテナの代わりにTEMセルを使用して電界を発生させます。
TEMセルの両端には同軸コネクタが取り付けられており、その中心導体は内部でセプタムと呼ばれる平板に、シールド部は通常外箱に接続されています。
セル内は遮蔽されている為に電波暗室を必要としませんが、使用可能な周波数の上限は電波暗室に比べて低くなります。この他に、TEMセルよりも高い周波数で使用可能なGTEMセルと呼ばれるものもあります。
ISO 11452-3はハーネスにクランプされたバルクカレントプローブによってRF電流を印加し(BCI:Bulk Current Injection)妨害波として誘起させ、そのときのESAの耐性を評価します。
BCI法には置換法と閉ループ法があり、どちらも1~400MHzまでの試験範囲が規定されています。2011年版では400MHz~3GHzまでの試験法であるTWC(Tubular Wave Couplijng)法※が追加されていますが、ECE-R10ではBCI法のみが参照されています。
ISO 11452-5は、ISO 11452-4と同様ハーネスに妨害波が重畳された場合のESAの耐性が評価されます(ESA自体の評価も可能)。
ストリップラインの構造はTEMセルに似ていますが、TEMセルと違い周りがシールドされていません。
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