再生可能エネルギーの普及と共に、余剰エネルギーを再利用できる電力回生は自動車や鉄道など様々な分野で利用されています。エネルギー関連に携わる方にとっては当たり前となっていますが、それ以外の方々の中には、「聞いたことはあるけど仕組みはよく分からない」、「自動車や鉄道は何となくイメージできるけど、交流(直流)電源で回生?」といった疑問をお持ちの方もいるかもしれません。
自動車や鉄道などにおける電力回生は、減速時などに車輪の回転エネルギーによって発電機(モーター)を回転させることで発生した電力をAC/DCコンバータなどで変換しバッテリーに充電若しくは系統に戻すことで再利用されます。この時、発電によって発生するトルクはブレーキとして利用されます。
直流/交流電源においても、バッテリーやモーターなどの試験を行う際、EUTの状態によっては電源側に電流が戻ってくる逆潮流の状態になることがあります。従来のPWMインバータ方式の電源では逆潮流に対応できないため、戻ってきた電力を消費するために電子負荷装置や抵抗負荷を並列に接続し熱に変換することで電力を消費する必要がありました。
しかし電力回生型直流交流電源を使用すれば、EUTから逆潮流してきた電力を吸収し更に吸収した電力を位相制御により入力系統に戻すことが可能です(構内回生)。
戻された電力は試験を行うため再利用されるか、同系統に接続された別の負荷で消費されます。
これにより電力の消費が少なくなるのはもちろんですが、熱の発生を抑えることができるため空調に掛かる電力も少なくて済むなどのメリットがあります。また電源自体においても放熱の為の部品が少なくて済むため、コンパクト化が可能になります。
省エネで環境にも優しい電力回生と逆潮流の活用事例について、動画で分かり易くご説明しておりますので是非ご覧ください。尚、動画では逆潮流を再現するためにPCR-WEA2Rシリーズを蓄電池の模擬として使用しています。
*PCR-WEA2Rシリーズは構内回生を前提に設計されています。構内の消費電力が回生電力よりも小さい場合はご使用になれません。
※動画作成・協力 菊水電子工業株式会社
*「マイクログリッドで使われる蓄電池の模擬」
AC60-1P3M-M8C-4S
AC38-1P3M-M8C-4S
AC22-1P3M-M8C-4S