漏れ電流とは、本来は流れてはいけない電流の経路から外れた場所で電流が流れてしまう現象のことです。
漏れ電流試験は「感電の危険性」に関る重要な試験項目のひとつで、ほとんどの安全規格でこの試験を実施します。
対象機器の操作部や外装部など、人が触れる部分と大地(接地)間の漏れ電流を測定します。
漏れ電流の限度値は製品カテゴリーごとに規格化されています。
保護接地線を通って、大地に流れる電流。
IEC 60601-1規格で、「主電源部品から絶縁体を通ってまたは絶縁体を横切って保護接地導体または機能接地接続線に流れる電流」として定義されている。
機器外装から人を介して、大地に流れる電流。
IEC 60990規格で「設置または機器の1つまたは複数のアクセス可能な部分に触れるときの人体または動物の身体を通る電流」
医用機器規格で定められる、患者を介して、大地に流れる電流。
意識がない患者もいるため、他の規格よりも厳しい値となっている。
IEC 60601-1規格で「患者接続から患者を経由してアースに流れる電流」として定義されている。
限度値例(mA) | 計測器 | 情報機器 | 家庭用機器 | 医用機器 |
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設置金属部 | 0.5 | 3.5 | 0.5 | 0.5 |
樹脂部 | 0.5 | 0.25 | 0.5 | 0.5 |
患者漏れ電流 | – | – | – | 0.01 |
※製品カテゴリーごとに規定されている