差動プローブは、2つのテストポイントがいずれもグランドに接続されていない場合、これらの間の差動電圧を測定するために使用されます。一般的なパッシブプローブでは、単一の電位を基準に測定を行いますが、差動プローブを使用することで、2つの異なる電位間の信号を同時に測定することが可能になります。
差動プローブは、2つの入力信号に共通するノイズ成分(同相信号)を除去することで、純粋な差動信号を高精度に測定することができます。
差動プローブの入力端子は高インピーダンスであり、被測定回路に対する負荷を最小限に抑えます。
差動プローブは広帯域の周波数に対応しており、高速スイッチング回路やスパイクノイズの測定にも適しています。
差動プローブは、特に高電圧の測定において、感電のリスクを低減します。接地されていない回路の測定が可能なため、より安全に作業を行うことができます。
高電圧差動プローブは、インバータやコンバータなどのパワーエレクトロニクス機器の測定に使用されます。
スイッチング電源の出力端子において、コモンモードノイズが影響を及ぼす場合、差動プローブを使用することで、ノイズを除去し、正確な直流電圧を測定できます。
差動プローブは、USB、Ethernet、SATA、PCI-Expressなどの高速シリアル通信の信号を測定するのに適しています。
差動プローブは、電磁干渉(EMI)や電磁適合性(EMC)のテストにも使用されます。これにより、製品が規制基準を満たしているかどうかを確認できます。
測定する信号の最大電圧に対応できるプローブを選ぶ必要があります。
プローブの最大入力電圧を超えると、プローブやオシロスコープが損傷する可能性があります。
差動プローブには、異なる減衰比を持つモデルがあります。高電圧の信号を測定する場合、適切な減衰比を選ぶことで、プローブが過負荷にならないようにすることができます。
測定対象の信号帯域に応じたプローブを選定することが重要です。
使用するオシロスコープの仕様に合ったものを選ぶ必要があります。
異なるメーカーのプローブは互換性がない場合が多いため、オシロスコープのメーカーが推奨するプローブを選ぶことが重要です。
プローブの形状やケーブルの柔軟性も重要です。測定環境に応じて、使いやすい形状や長さのプローブを選ぶと作業がスムーズになります。