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いまさら聞けない 計測器の基礎
「サージ試験器」について知りたい

サージ試験器とは

サージ試験器とは、電子機器や電気機器に対して瞬間的な高電圧・高電流のサージを印加し、機器の耐性(イミュニティ)を評価する試験装置です。

雷による誘導サージ、電源スイッチのON/OFFなどによるスイッチングサージ、短絡などの系統事故による過渡サージなどを模擬したサージ波形を被試験機器に印加し、機器が破損しないか、誤動作しないか、正常に動作を継続できるかを確認します。

この試験は国際規格IEC61000-4-5(サージイミュニティ試験) に基づいて実施され、電気・電子機器のサージ耐性を評価するEMC試験の一つです。

IEC61000-4-5(サージイミュニティ試験) で模擬する現象

この試験では、主に以下のような電力系統で発生する過渡サージを模擬します。

これらの現象により、電圧の急激な変化や過渡電流が機器に加わります。

1雷による誘導サージ

  • 送電線や通信線の近くに雷が落ちたとき、雷電流が直接機器に入らなくても電磁誘導により大きな電圧サージが発生する

2電力系統のスイッチングサージ

電力系統のスイッチのON/OFFなどで発生する過渡現象

  • ブレーカ投入
  • コンデンサバンク投入
  • モータの起動停止
  • 変圧器の励磁突入

3系統事故(短絡・地絡など)

電力系統の異常時に発生するサージ

  • 短絡(ショート)
  • 地絡事故
  • 保護装置の動作

サージ試験器を使用する目的

サージ試験器は以下を確認するために使われます。

  • 機器が破壊されないか
  • 誤動作しないか
  • 通信・制御が継続できるか

※実際の電力系統で起こる過渡現象に対する耐性を評価

サージ試験器の仕組み

サージ試験器は、コンデンサに蓄えたエネルギーを瞬間的に放電することで、インパルス波形を発生させ、CDNを通して被試験機器に印加されます。

代表的なサージ波形には以下のものがあり、国際規格 IEC61000-4-5 によって定義されています。

コンビネーション波形 内容 印加箇所
1.2/50μs-8/20μs 1.2/50μs電圧サージ、8/20μs電流サージ 電源ライン
10/700μs-5/320μs 10/700μs電圧サージ、5/320μs電流サージ 通信線

参考波形:電源ライン