振動計(Vibrometer)とは物体の振動を測定する装置の総称です。
振動とは物体が前後・左右・上下への運動を繰り返す状態をいい、評価したい内容によって「変位」「速度」「加速度」「振動レベル」で表現されます。
測定目的によりいずれの尺度を用いるかは異なるが、正弦波振動の場合には下式の関係が成立します。
変位 | mm,μm(1μm=10-3mm) |
速度 | mm/s |
加速度 | m/s²,cm/s² Gal(1 Gal=1 cm/s²) |
振動加速度レベル | dB(re・10-5m/s²):JIS |
振動計の主な用途には、以下のようなものがあります
モータやベアリングの監視:振動計を使用しモータやベアリングの振動を測定し、異常振動を検出する事で故障の早期発見や、故障を未然に防ぐことが可能となります。
橋梁の振動測定:橋梁の振動を測定し、損傷や劣化の状態を評価します。
建物の振動測定:風や地震などの外力による建造物の振動を測定し耐風性や耐震性を評価します。
製品の耐久試験:主に自動車部品や電子機器等に対して振動試験を行い耐久性や信頼性を評価します。
製品の品質管理:機器の製造工程で発生する振動を測定し、製品の品質を確保します。
機械振動の測定に用いる振動計は、測定対象となる機械の振動により適切なピックアップを選択する必要があります。低い周波数用のピックアップは低加速度を測定するため感度が高くなっていますが、形状が大きく質量も大きくなるため設置時の共振周波数も低くなります。高い周波数用のピックアップは大きな加速度を測定するために、軽量小型で低感度に設計されています。
振動計は、主に以下の3つの物理量を測定します
振動レベル計は、公害による振動や作業環境における振動を測定するための計測器です。「JIS C 1510」で規格化されており、特に地面の振動の影響を評価するために使用されます。環境振動の大きさは、人体の振動感覚特性に基づいた測定値である振動レベル(dB)で表現されます。物理的振動量に人体の感覚特性による補正を行い、得られた測定値を評価の対象としています。
振動レベル計は、以下の2種類の値を測定します