ECE-R10は国際連合欧州経済委員会が発行したEMCに関する国際的な規則であり、カテゴリL、M、N及びO※の車両及びこれらの車両に取り付けることを意図したコンポーネントやユニット(ECUやモータ、インバータなど)に適用されます。EMIはCISPR 12、22、25、16-2-1、IEC 61000-3シリーズとISO 7637-2、EMSはISO 11451、ISO 11452、IEC 61000-4シリーズとISO 7637-2を参照しています。
2024年時点でのRevisionは6(ECE-R10.06)ですが、間もなくRevision 7が発行される予定です。
※ カテゴリL : 4輪未満の車両
カテゴリM : 乗客の輸送のための4輪以上の車両
カテゴリN : 貨物の輸送のための4輪以上の車両
カテゴリO : トレーラー
Audi、BMW、DAIMLER、Porsche、VWの5社を中心に策定された、電装品および車載電子機器に対する電源の試験規格です。狙いとしては、パワステや照明など電力需要の大きな部品を中心に車載電気 / 電子系統の電圧を従来の12Vと並行して48Vシステムを使用することで2系統の電装システムにし、燃費を向上させることにあります。
LV148が48V系システムについて規定されているのに対し、LV124は12V系のシステムについて要件と試験が規定されています。
LV148と同様に欧州の自動車メーカーを中心に策定され、自動車の高圧電装品に供給される電源の電気的な特性と安全性に関する要件及び試験が規定されています。
主な試験項目に耐温湿、耐塵、耐水、耐光、耐振、耐衝撃などがあり、ISO(国際標準化機構)規格、(JIS(日本産業規格)・JASO(日本自動車技術会規格)・ASTM(米国試験材料協会)規格等によって試験方法が定められています。ISO規格では、ISO 16750-3で振動・衝撃などの機械負荷に関する試験が、ISO 16750-4で高温・低温、高湿度・低湿度、温度変化、砂塵、雨水浸透などの気候的負荷試験が規定されています。
EMCに関してもそうですが、自動車業界ではこれらの試験をベースとしOEM各社が独自の試験条件を策定していることがほとんどで、試験を実施する際には試験内容をよく確認することが必要です。