
目次
「急な増員で入社日までにPC手配・設定が間に合うか、ヒヤヒヤする」
「問い合わせや故障対応で1日が終わってしまった」
「台帳と実態がズレていて、突き合わせに何時間もかかっている」
情報システム部門で働く方なら、一度はこう感じたことがあるのではないでしょうか。
所持するPCの台数が多い企業や、情報システム部門の人員が少ない企業では、PCの選定や購入、キッティング、資産管理、問い合わせ対応など、作業一つひとつに手間がかかります。
人手が足りない中で対応を続けると、担当者の負担は増える一方です。
こうした課題に対し、三井住友フィナンシャルグループと住友商事をバックボーンとする レンタルソリューションの専門家であり、PC運用のアウトソーシングに実績を持つSMFLレンタル株式会社が、PC運用アウトソーシングで任せられる業務の範囲や導入によって得られる効果、委託先を選ぶときのポイントなどをまとめて解説します。
PC台数や体制に応じてどの業務から任せるべきか、費用面でどこまで見合うのかという点まで解説しているので、参考にしてみてください。

PC運用アウトソーシングとは、調達から廃棄までのPC運用に関する業務を、外部の専門会社に任せることを指します。
単なる問い合わせ代行とは異なり、PCライフサイクル全体を任せられる点が、従来の部分的な委託とは異なります。
具体的に任せられる業務は、次の通りです。
・PCの選定・調達
・キッティング・セットアップ
・保守・故障時の代替機対応
・回収・データ消去・廃棄
・問い合わせ対応
こうした一連の仕組みは、パソコンの「ライフサイクルマネジメント(LCM)」と呼ばれます。

PC運用アウトソーシングへの関心が高まっている背景には、いくつかの要因が重なっています。
ここでは、PC運用アウトソーシングが必要とされる3つの背景を紹介します。
1つ目は、働き方の多様化です。
働く場所やPCの用途が多様化したことで、PC運用を自社だけで担うことが難しくなっています。オフィス、自宅、外出先では、必要な性能や設定、セキュリティ対策が異なるためです。
さらに、テレワークの開始や入退社に伴い、利用者に合わせたPCの設定、発送、回収を短期間で行う場面も増えました。従来の画一的な一括管理では、こうした個別の要望に対応しにくく、情報システム部門の作業負担も大きくなりがちです。
PCの選定や設定、保守、回収を専門企業へ委託することで、多様な働き方に応じた端末を効率よく用意できます。複雑になったPC運用を安定させ、担当者が本来の業務に取り組める体制につながるため、アウトソーシングの必要性が高まっています。
2つ目は、情報システム部門の業務負荷です。
多くの企業では、少人数の担当者が調達・キッティング・問い合わせ対応・保守・回収までを兼任で抱えています。特定の担当者に対応が集中しやすく、その人が異動や退職をすると、業務が回らなくなることが多いです。
近年は、AIを活用して生産性を高める基盤作りの役割を情報システム部門に期待する経営層も増えており、日々のPC運用に追われたままでは、その役割に時間を割けなくなってしまいます。
3つ目は、対応の遅れによって高まるリスクです。
PCの更新やアップデートが後回しになると、セキュリティ上の弱点が残ったままになり、サイバー攻撃を受けるリスクが高まります。故障や障害への対応が遅れれば、その分だけ業務が止まる時間も長くなってしまいます。
さらに、使わなくなったPCやライセンスを放置すると、無駄なコストが積み上がっていく点も見逃せません。

PCの運用は、「調達→キッティング→運用→保守・管理→回収→廃棄」という一連の工程で構成されます。
各工程では情報システム部門による手作業が発生する一方、外部委託が可能な業務も少なくありません。
ここからは、工程ごとに委託できる業務を解説します。
1つ目は、PCの調達・導入です。
機種の選定や発注は、時期によって価格や納期にばらつきが出やすい業務です。
発注のタイミングを誤ると、価格が急に上がったり、納期が遅れたりする懸念もあります。
委託先に任せることで、要望に合った機種の提案や複数メーカーからの選定、発注手続きまで対応してもらえます。
また、委託先によっては、導入計画に合わせてPCを倉庫に保管できるため、価格変動や納期遅延のリスクを抑えることが可能です。
2つ目は、キッティング・セットアップです。
OSの設定やソフトのインストール、資産ラベルの貼付は1台ずつの手作業が必要です。保有する台数の多い企業では、キッティング作業だけで年間800時間規模の工数がかかっている企業もいます。
委託先にキッティングを任せれば、設定が完了したPCが手元に届きます。箱を開けてすぐ使える状態になっているため、情シス担当者が1台ずつ設定する手間がなくなります。
3つ目は、保守・故障時の代替機対応です。
パソコンが故障して使えない時間が長引くとその分だけ業務が止まり、対応が遅れるほど、現場への影響も大きくなります。
・故障受付・一次対応
・代替機の手配・発送
・修理対応(メーカーとの調整含む)
こうした保守業務も外部への委託対象であり、窓口と対応フローをあらかじめ整えておくことで、故障発生時の業務停止時間を最小限に抑えられます。
4つ目は、資産管理です。
PCの台数が増えるほど、契約内容やシリアル番号、利用者情報の把握が難しくなり、更新漏れや所在不明端末のリスクも出てきます。
委託先に資産管理まで任せれば、契約満了日や設置場所、対応履歴を一覧で正確に把握でき、こうしたリスクを防げます。
5つ目は、問い合わせ対応です。
「パスワードを忘れた」「印刷ができない」「急に動かなくなった」といった日常的な問い合わせは件数が多く、情報システム部門の時間を大きく奪います。
・PCや周辺機器の操作に関する問い合わせ対応
・不具合・故障の切り分けと一次対応
・Microsoft365・プリンタ・ネットワークに関する問い合わせ対応
・ID・パスワードの再発行対応
こうした一次対応も、外部への委託対象です。
これらを委託することで、日々発生する問い合わせ対応の負担を軽減できます。
6つ目は、回収・データ消去・廃棄です。
退職者PCの回収や古いPCの処分には、情報漏えいを防ぐための安全な処理と、産業廃棄物としての適切な処理が欠かせません。
・PCの引き取り・回収
・データ消去、消去証明書の発行
・産業廃棄物としての廃棄手配
こうした回収・廃棄業務も、外部への委託対象です。これらを一貫してアウトソーシングことで、情報漏えいや不適切処理のリスクを抑えられます。

PC運用をアウトソーシングするメリットは、単に工数を削減するだけではありません。
ここでは、代表的な5つのメリットを解説します。
1つ目は、コア業務に集中できることです。
日々のPC運用に追われている状態では、DX推進やセキュリティ強化といった、本来注力すべき業務に時間を割けません。
運用業務をアウトソースして管理工数を減らせば、空いた時間をこうしたコア業務に使え、経営やDX推進を支える存在へと役割を変えていけます。
2つ目は、業務の属人化を解消できることです。
PC運用の細かい実務は、特定の担当者のやり方に頼りがちで、その人が異動や退職をすると引き継ぎに苦労することがあります。
対応窓口を委託先に集約すれば、担当者が変わっても運用が滞りません。資産・契約情報の管理も任せることができるため、情報の共有もスムーズに行えます。
3つ目は、セキュリティ体制を強化できることです。
自社だけで対応していると、PCの更新やデータ消去といった作業が担当者ごとの手順に頼りがちになり、対応の抜け漏れや処理ミスが起こりやすくなります。
決まった手順で確実に処理されることで、データ消去による情報漏えいのリスクが下がるほか、資産の所在も把握しやすくなり、管理の穴が生まれにくくなります。
4つ目は、トラブル対応の迅速化です。
故障時の連絡窓口を一本化し、設定済みの代替機をあらかじめ確保しておけば、速やかな交換が可能になります。
ある企業では、アウトソーシングによって、代替機の到着までにかかる期間が1カ月からおよそ2日に短縮されました。PCを使えない時間が短くなり、業務への影響を抑えられた事例です。
5つ目は、工数とコストの最適化です。
PCの運用では、レンタル料や購入価格だけでなく、キッティングや故障対応、廃棄などの付随作業にも工数がかかります。こうした作業時間は見積書の金額に表れにくいものの、実際には担当者の人件費としてコストに含まれます。
月額料金だけを見ると、アウトソーシングのほうが割高に感じられる場合もあるでしょう。しかし、付随作業にかかる人件費まで含めた総コストで比較すれば、結果としてコストを抑えられる可能性があります。

ここまで紹介した6つの業務を、すべてアウトソーシングする必要はありません。業務ごとに切り分け、必要な範囲だけを委託することも可能です。
最適な委託範囲は、PCの保有台数や社内の運用体制によって異なります。
ここからは、内製・一部委託・全面アウトソーシングの特徴を比較し、PC台数に応じた任せ方を解説します。
3つのパターンを比較すると以下のような違いがあります。
| 項目 | 内製 | 一部委託 | 全面委託 |
|---|---|---|---|
| 対応範囲 | すべての工程を自社で対応 | 負担の大きい業務だけ委託 | すべての工程を委託 |
| 委託費用 | 委託費用なし | 委託範囲に応じて費用あり | 委託費用がかかる |
| 自社の工数 | 人件費や工数が発生する | 人件費や工数を一部削減 | 人件費や工数を大幅削減 |
| 導入準備 | 担当者の育成・教育が必要 | 委託先との調整が必要 | 運用ルール整備が必要 |
| 運用体制・ 属人化リスク | 特定担当者に依存しやすい | 一部業務のみ標準化 | 属人化を抑制しやすい |
| データ消去 | 自社で対応 | 委託手順を標準化しやすい | 回収から消去・処分まで委託可能 |
内製は、自社の裁量で細かく調整できる柔軟さが利点です。その反面、すべての工程を自社で抱えるため、工数と属人化のリスクが最も大きくなります。
一部委託は、キッティングや保守など、特に負担の大きい業務から段階的に外部へ切り出す方法です。自社に残す業務と任せる業務を分けられるため、コストを抑えながら負担を軽くしたい企業に向いています。
全面委託は、調達から廃棄までを一括で任せる方法です。工程ごとの管理や連絡が不要になり、情報システム部門の工数を最小限に抑えられます。台数が多く、運用の負荷そのものを減らしたい企業に適していると言えるでしょう。
各パターンについて、PC保有台数ごとにどの運用方法が適しているのかを以下にまとめました。
| パターン | PC保有台数 | 理由 |
|---|---|---|
| 内製 | 50台未満 | 規模が小さく、委託効果が出にくい |
| 一部委託 | 50〜100台 | 負荷軽減とコストのバランスが取りやすい |
| 全面委託 | 100台超 | 工数・運用コストの削減効果が大きい |
50台未満の場合は、内製を基本とし、繁忙期や大量調達が発生した際にのみ一部を委託する方法が現実的です。委託による効果が費用に見合いにくいため、全面的な委託を選ぶ企業は多くありません。
50台から100台程度になると、キッティングや保守など負担の大きい業務から段階的に委託する企業が増えます。すべてを委託しなくても、一部の業務を外部化するだけで担当者の負担を大きく減らせます。
100台を超える規模では、調達から廃棄までをまとめて委託し、PC-LCMとして一括管理する方法が適しています。実際にここまで紹介した事例もPC100台以上の企業であり、管理台数が増えるほどコスト削減や工数削減の効果を得やすくなります。

ここまで、内製・一部委託・全面委託という3つの選択肢について解説してきました。
ここからは、実際に一部委託・全面委託を選んだ企業が、どのような効果を得られたのか、弊社の事例を紹介します。
樹脂成形品などの製造・加工している製造業の企業さまの事例です。
同社はPC1,600台を保有し、年間約400台をリプレースしていました。
従来は専任3名の担当者が機種選定から初期設定、故障時の代替機手配や再セットアップまで手作業で対応しており、1台あたり数時間の工数がかかっていました。故障が発生すると長期間PCが使えない状態も発生していました。
そこでキッティング業務を一部委託した結果、1台あたり2時間の設定工数を削減し、400台規模の入替を約2カ月で完了することができました。
また、故障時の交換機到着も、1週間から2営業日に短縮され、業務への影響を抑えられるようになりました。
次に紹介するのは、建築金物・工具・産業資材などの卸売業を営む企業さまの事例です。
情シス部門2名体制でPC200台を購入・管理・運用しており、見積取得やキッティング、保守・故障対応、廃棄・データ消去・データ移行までの一連実務をすべて情シス部門で対応していました。手が回らない状況となり、交換対応の遅延や資産台帳の更新漏れ、所在不明端末の発生といったリスクを抱えていました。
その中でPCの運用管理を全面的に委託した結果、872時間の工数削減を実現し、盤石な運用体制を構築できました。
調達力の強化や専用交換機の迅速な手配、資産状況の正確な把握も可能になり、情シス部門はコア業務に集中できるようになっています。

紹介した事例からも分かるように、PC運用アウトソーシングには一定の効果が期待できます。
ただし、PC運用アウトソーシングは、委託先によって対応可能な業務範囲や契約条件が異なります。
そのため、ここからは委託先を選ぶ際のポイントを4つ紹介します。
1つ目は、サービス内容と対応範囲です。
まずは調達からキッティング、保守、回収、廃棄まで、どこまで対応してもらえるかを確認しましょう。対応範囲が狭いと、結局は一部の業務が自社に残ってしまいます。
あわせて、次のような点も確認しておきたいポイントです。
・導入計画に合わせて、機種を在庫として確保しておけるか
・故障時の代替機手配に、追加費用が発生しないか
・特定メーカーに限らず、マルチベンダーで機種を選べるか
・営業時間外の故障にも、即対応できる体制があるか
これらを見落とすと、繁忙期の調達遅延や、契約時に想定していなかった追加費用の発生につながりかねません。
2つ目は、情報の取り扱い方です。
回収したPCのデータをどのような方式で消去しているか、消去後に証明書を発行してもらえるかを確認してください。国際的に認められた基準に沿った消去方法であれば、情報漏えいのリスクを抑えられます。
どのように処理がされるのか、あわせて確認しておくと安心です。
3つ目は、コストです。
月額の金額だけでなく、保守やキッティング、故障対応まで含めた総コストで比較することが大切です。そのうえで、次のような契約条件もあわせて確認しておきましょう。
・中途解約の可否や解約金の有無
・廃棄やデータ消去にかかる追加費用の有無
・特急対応や台数変更など、契約範囲外の作業にかかる費用
これらを事前に確認しておかないと、契約後に想定外の費用が発生したり、解約時に思わぬ制約を受けたりする可能性があります。
4つ目は、導入実績です。
自社と近い規模やPC台数、業種での導入実績があるかを確認しましょう。実績があるということは、それだけ運用品質や対応力があると判断できます。
導入前後の効果を具体的な数字で公開しているか、大量調達や多拠点への対応実績があるかも、判断材料になります。
最後に、PC運用アウトソーシングを検討する方からよく寄せられる質問を紹介します。
PC運用アウトソーシングの費用は、委託する業務の範囲やPCの台数、保守内容、契約条件によって異なります。
そのため、月額料金だけでなく、キッティングや故障対応、データ消去、廃棄などにかかる費用を含めた総コストで比較することが大切です。
複数の事業者から見積もりを取り、対応範囲と追加費用の有無を確認しましょう。
先述しましたが、機密性が極めて高い業務を扱っている場合や、PCの台数がごくわずかな企業では、内製のほうが向いていることもあります。
自社の状況に応じて、内製や一部委託とも比較しながら検討することがおすすめです。
PCの調達や故障対応、資産管理に追われ、本来の業務に時間を使えていないという悩みは、外部へのアウトソーシングによって解消できます。
実際にPC運用をアウトソーシングした結果、キッティングを一部委託した事例では1台あたりの設定工数を削減でき、運用全体を全面委託した場合は、年間872時間(PC200台)の工数削減につながった事例もあります。
委託先を選ぶ際は、対応範囲・情報の取り扱い・コスト・導入実績の4点を確認しながら、比較検討を進めてみてください。まずは自社のPC運用で、どの業務を任せられるか洗い出すところから始めてみましょう。
PC運用の負担を減らしたいとお考えなら、SMFLレンタル株式会社のPC-LCMサービスをご検討ください。
PCの選定から購入、設定、保守、廃棄まで、一連の流れをすべてアウトソーシングすることが可能です。倉庫でのPCのストックにも対応しているため、急な増員や大量調達にも柔軟に対応します。
PC故障時が発生した際にはすぐに代替機を手配できる体制を整えており、業務を止めずに運用を続けられます。データ消去や廃棄処理まで含めて任せられるため、情報漏えいの不安を抱えることもありません。
PC運用の負担を減らし、情報システム部門が本来の業務に集中できる環境を構築されたい方は、ぜひ一度弊社へご相談ください。
\PC運用業務から情シス部門を開放する/