宇宙空間は真空状態であり、太陽の位置によって温度が急激に上昇・低下するなど、極めて過酷な熱環境に晒されます。
そこで、チャンバー内に宇宙空間を模擬した環境を再現し、熱設計の妥当性や熱真空状態での動作性を検証することで、機器が適切に機能するか確認します。
宇宙機が衛星軌道上の熱真空環境下において、正常に動作し、規定された要求値を満たしていることを確認するために試験を実施します。
この試験は、宇宙機システム、サブシステム、コンポーネントの機能・性能を確認するだけでなく、部品や材料の⽋陥や製造上の不具合を検出することも⽬的としています。
宇宙機が衛星軌道上の熱真空環境下において、通電時の発熱量が熱設計の想定範囲内に収まり、規定された要求値を満たしていることを確認するために試験を実施します。
供試体からアウトガス排出(ベーキング)させた後、宇宙空間を模擬するスペースチャンバ内に搬⼊し、試験を実施します。
試験後、外観検査および機能性能試験を実施し、熱真空環境下での性能に影響ないか確認します。
熱真空試験、熱平衡試験に対する当社からのサポート内容は以下となります。
お客様のご要望に合わせて最適なソリューションを提案いたします。
試験項目 | 計測システムアップ (計測器レンタル) |
計測代行サービス (出張測定サービス) |
レンタル計測ラボ (試験環境 + 計測器レンタル) |
規格試験サービス (試験環境 + 測定者) |
熱平衡試験 | △ | △ | 〇 | 〇 |
熱真空試験 | △ | △ | 〇 | 〇 |
熱真空試験は、宇宙空間を模擬した環境で、供試体の熱特性、電気特性、機械特性、無線特性など、さまざまな性能を確認します。
この試験を通じて、実際の宇宙環境で供試体がどのように動作するかを評価することができます。
以下に、計測システムを活⽤した特性試験の⼀例を⽰します。
測定対象の回路ごとに熱電対を取り付け、スペースチャンバ内部の熱電対⽤端⼦台に接続します。さらに、スペースチャンバ外部の熱電対をデータロガーに接続することで、各回路の発熱量を測定できます。
駆動⽤モーターに⻭⾞を組み合わせて減速し、シャフトを通じてスペースチャンバ外部のトルクセンサへ伝達させることでモーターの回転速度、電流値、出⼒トルクを測定できます。
フランジ
治具
熱真空試験、熱平衡試験を実施するにあたり必要な試験設備であるスペースチャンバについてご紹介します。
容 器 ⼨ 法 | 内 径 φ 1 , 5 0 0 m m × 円 筒 部 ⻑ さ 1 , 8 0 0 m m |
供 試 体 ⼨ 法 | 6 0 0 m m × 6 0 0 m m × 6 0 0 m m |
供 試 体 重 量 | 約 6 0 k g |
供 試 体 内 部 熱 負 荷 | 最 ⼤ 2 0 W |
到 達 圧 ⼒ | 5 . 0 × 1 0– 5 P a / 5 時 間 以 内 |
シ ュ ラ ウ ド 温 度 | 1 0 0 K 以 下 |
ベ ー ス プ レ ー ト 温 度 制 御 範 囲 | -1 0 0 ℃ 〜 + 1 0 0 ℃ |
ベ ー ス プ レ ー ト 温 度 制 御 精 度 | ± 2 ℃ |
供 試 体 ⽤ フ ィ ー ド ス ル ー | 3 6 c h 分 ( J I S – T 型 温 度 ⽤ )、 1 8 c h 分 (信 号 ⽤ ) ※ 追 加 可 能 |
協働パートナー拡⼤中︕追加がありましたら随時更新いたします。