放射イミュニティ試験ではアンテナから照射された電磁界にEUTを曝しますが、周波数が低くなるにつれ妨害波はケーブルなどに重畳されやすくなる傾向にあるため、伝導イミュニティ試験では電源ライン及び3mを超える長さの信号ラインを試験対象としCDN(Coupling-Decoupling Network:結合減結合回路網)またはEMクランプや電流注入用プローブを使用してケーブルに妨害波が印可されます※。試験規格にはIEC 61000-4-6、ISO 11452-3,4,5などがあり、IEC 61000-4-6では周波数範囲150 kHz~80 MHz、掃引の方法や変調は放射イミュニティ試験と同様で試験されます。(ISO 11452シリーズでは周波数範囲、変調方法試、験レベルなどは異なります)
※対象に適したCDNがあればこれが優先される
EUT及び周辺機器はグラウンドプレーンから10cmの、信号ラインなどは3cm以上の絶縁物の上に配置し、印可する電源ラインの長さ及び信号ラインの印可ポイントはEUTから10~30cmの距離になるように設定します。この時、試験されないEUTや周辺機器の電源ラインもCDNを取付け、CDNの同軸ポートを終端する必要があります。
レベル | 電界強度(V/m) |
1 | 1 |
2 | 3 |
3 | 10 |
4 | 30 |
X | 特殊 |
図1 伝導イミュニティ試験のセットアップ
参考 JIS C 61000-4-6:2017