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放射エミッション測定の概要

 放射エミッションの規格で代表的な規格に、家庭用電気機器に適用される「CISPR 14-1」やマルチメディア機器に適用される「CISPR 32」などがあります。以前は放送受信機器向けの「CISPR 13」と情報処理装置向けの「CISPR 22」がありましたが、世の中の機器のマルチメディア化に対応しきれないために2017年3月に廃止されCISPR 32に統合されました。

 CISPR 32では30~1000 MHz及び1~6 GHzの周波数範囲で限度値が規定されており、30~1000 MHzはSAC(Semi Anechoic Chamber:半無響電波暗室)内で、1~6 GHzはFAR(Fully Anechoic Room:全無響電波暗室)内で測定されます。どちらも「電波暗室」と呼ばれますが、SACの床面には電波吸収体がありません。ちなみに自動車関連の規格(CISPR 25やISO 11452-2など)ではALSE(Absorber-Lined Shielded Enclosures)と表記されています。

 これらの電波暗室で放射エミッション測定を行う際には、事前にSACはNSA(Normalized Site Attenuation:正規化サイトアッテネーション)、FARはSvswr(Site-Voltage Standing Wave Ratio:サイト電圧定在波比)を測定することによってその特性を評価する必要があります。(CISPR 16-1-1で規定)またEMIレシーバの検波方法※は、30~1000 MHzではQP(Quasi-peak:準尖頭値)、1~6 GHzではPK(Peak:尖頭値)とAV(Average:平均値)が使用され、測定された値を限度値と比較します。

※測定対象のノイズが放射される「持続時間」と「頻度」により、各検波方法で測定した値が変わる

 

 放射エミッション測定は通常、EUT(Equipment Under Test:被試験装置)~アンテナ間の距離を10mまたは3m(10mのことが多い)にして行われます。EUTを回転させ、アンテナの高さを1~4mで昇降させて対象の周波数ごとに最大値を走査し記録します。最大値の走査はスペクトラムアナライザを使用し検波はEMIレシーバで行うのが主流でしたが、最近では操作~検波までを一台で行うことが可能なリアルタイムスペクトラムアナライザが使用されるようになってきました。(ローデ・シュワルツ ESWシリーズ、キーサイト・テクノロジー N9048Bなど)どちらの場合でも、走査には専用のソフトウェアを使用するのが一般的です。

 測定結果の合否は規格毎に規定されている限度値と比較して判定されます。参考までに、以下にCISPR 32の限度値を表1に、これをグラフにしたものを図1,2に示します。

 

 

 

表1 CISPR 32の限度値(測定距離:30~1000MHz=10m、1~6GHz=3mの場合)
Class Aの限度値(dBμV/m) Class Bの限度値(dBμV/m)
QP PK AV QP PK AV
30~230 MHz 40 30
230~1000 MHz 47 37
1~3 GHz 76 56 50 70
3~6 GHz 80 60 54 74

 

図1
 

図1 CISPR 32 放射エミッションの限度値(30~1000MHz)

図2
 

図2 CISPR 32放射エミッションの限度値の限度値(1~6GHz)

 CISPR 32では最高で6 GHzまで測定が行われますが、その上限周波数 FXはEUTの内部で使用される最高周波数によって変わります。(表2参照)

  FX :EUTの内部で生成若しくは使用される最高の基本周波数又はEUTが動作する最高の周波数(集積回路内部だけで使用される周波数を含む)

 

 

 

表2 測定周波数の上限
内部で使用される最高周波数 測定周波数の上限
FX ≦ 108 MHz 1 GHz
108 MHz < FX ≦ 500 MHz 2 GHz
500 MHz < FX ≦ 1 GHz 5 GHz
FX > 1 GHz 5 × FX または6 GHzのどちらか低い方

注1 FM及びTV放送受信機については、FXは生成又は使用する最高周波数のうち局部発信周波数と同調周波数を除いた周波数から決定される

注2 家庭用衛星放送受信システムの屋外ユニットの最高測定周波数は18 GHz

注3 FXが不明な場合は6 GHzまで実施

   

参考 総務省「マルチメディア機器の電磁両立性 – エミッション要求事項 -」【平成27年12月答申】