Immunity-辞書を引くと「免疫:体内に侵入した病原菌や毒素などに抵抗する防御力を持っている状態」と記載されています。EMCでも「(照射あるいは直接印可されて)侵入した妨害波に対する防御力(耐性)を持つ」という意味では同様です。EMS-Electro Magnetic Susceptibility-と表記されますが、Susceptibility(感受性)が高いと誤動作を起こしてしまうので、妨害波に対しては鈍感な方が良いということになります。
イミュニティ試験では妨害波を意図的に機器/システムに与えてその耐性を評価しますが、アンテナから照射する方法が放射イミュニティ試験、専用の回路網などを使用して電源ラインなどに印可する方法が伝導イミュニティ試験と呼ばれています。
妨害波に対する耐性を上げるためには、エミッションにおいてもそうですが対策が必要になります。シールドやグラウンドの強化、フィルタの追加などを行う場合がありますが、部品を追加するとその分費用が掛かるため様々な対策方法の中から効果的なものを、費用を考えながら選択しなければならないのもエミッションと同様です。
イミュニティ試験は妨害波を与える試験と書きましたが、IEC 61000シリーズやISO 11452シリーズでは静電気放電イミュニティ試験、電気的ファストトランジェント/バースト試験、サージイミュニティ試験、電源周波数磁界イミュニティ試験、電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験などのイミュニティ試験もあります。
IEC 61000-4-2 | 静電気放電イミュニティ試験 |
IEC 61000-4-3 | 放射性無線周波電磁界イミュニティ試験 |
IEC 61000-4-4 | 電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験 |
IEC 61000-4-5 | サージイミュニティ試験 |
IEC 61000-4-6 | 無線周波電磁界に誘導される伝導妨害に対するイミュニティ試験 |
IEC 61000-4-8 | 電源周波数磁界イミュニティ試験 |
IEC 61000-4-11 | 電圧ディップ・瞬断および電圧変動に対するイミュニティ試験 |