家電、自動車、航空機や人工衛星などに搭載される部品など、あらゆる電気/電子機器には高い信頼性が求められます。
信頼性を確認するための試験にはEMC、温度/湿度/振動などの環境試験、化学変化に対する耐性など様々な種類があり、必要な試験を全て実施するためには少なくない手間が掛かります。
SMFLレンタルでは、協働パートナーが保有する設備をご利用いただけるサービスもご提供しています。オペレーション・スタッフが試験機器の設定・操作を行うため、測定対象物をご用意いただくだけで信頼性試験が可能となります。
信頼性試験についてお困りの際は是非一度ご相談ください。
電気/電子部品が様々な温湿度環境に曝された際、その変化にどれくらいの耐性があるかを確認する試験です。また温湿度と共に気圧を変化させることで、高高度や成層圏環境も模擬することが可能です。
被試験体が置かれた環境や自身からの発熱などにより温度が繰返し変化する状態を模擬することで、温度変化による耐性を評価します。
最大25℃/分の温度変化速度が可能な急速温度変化試験器。LV124やJEDEC規格に対応し、熱負荷への対応や試験時間の短縮を実現。独weisstechnik社製を使用し、特に大型の製品の評価に適しています。
高温と低温を早いサイクルで繰返すことで、熱による被試験体のひずみなどに対する耐性を評価します。
加温、加湿、加圧を行い被試験体に厳しいストレスを与えることで、従来の温度試験よりも加速性の高い試験が可能です。
塩水やガスなどは、電気/電子部品に化学的な変化を引き起こすことがあります。そこで、これらの環境に曝された状態を模擬する為に以下のような試験器が使用されます。
温湿度に比べて試験条件の設定が複雑なものもありますが、専門のオペレーション・スタッフによって適切な試験を行うことが可能です。
自動車部品の塩水噴霧試験ではISO19453やJASO M609に代表されるCCTの実施が求められます。
塩水噴霧→乾燥→湿潤で8時間/サイクルを実施する加速腐食試験で、自動車が曝される過酷な環境を再現します。
高濃度の単一ガス試験、2種、3種およびJISやISOで規定される4種混合試験が可能です。腐食劣化の進行を電気的に判定すると共に外観撮影や腐食量の解析なども併せて実施することで腐食試験の結果を定量化することができます。
スプラッシュウォーター試験やアイスウォーター試験、浸水試験および高圧蒸気洗浄噴射試験など主要な試験項目をシーケンシャルに実施可能です。また、電子機器の保護等級試験で知られるIP試験もIPX3~IPX9まで対応可能です。電子機器の評価や防水部品の評価に対応しています。
自動車部品の化学負荷はISO19453やJASO D014に代表される規格で35種類の化学薬品が規定されています。塗布条件や暴露条件などを設定することが可能です。
メタルハライド式の耐光性試験器で、屋外暴露に比べ数10~100倍前後とUV領域で非常に高い照射照度の試験が可能です。DIN規格に代表される内/外装部品への対応だけでなく、照射強度が高い為より加速性のある耐光性評価へのニーズにもお応えします。
実装基板の代表的な不具合原因に絶縁劣化が挙げられます、。絶縁劣化は予期せぬ箇所に大電流が漏れてしまい、発煙や発火事故にも繋がるため信頼性試験が重要な意味を持ちます。
振動試験は、電気/電子部品(機器)が輸送などによって受ける振動を模擬することでその耐震性を試験します。リチウムイオン電池や衛星搭載機器などもこの試験が行われます。また、恒温恒湿槽と併せた複合環境での試験も可能です。
SRS衝撃試験は、電気/電子部品(機器)を落下させることにより衝撃を与える方法ではなくハンマによる打撃を用いて試験を行います。最近では航空/宇宙関連のお客様からのお問い合わせが増えている試験です。
自動車部品の振動試験はISO16750、JASO D014に代表されるランダム加振試験が求められます。またEVの評価で要求のあるSOR試験にも対応しています。温度複合環境振動試験、共振点探査、加速度ピックアップの取付、治具の作成や試験後の測定/解析なども可能です。
落下型の衝撃試験では6dB/oct以外のSRS勾配を実現することが難しく、様々な条件での検証を行うことができません。
ハンマリング衝撃試験では、ハンマによる打撃を用いた衝撃試験器を使用することで5~10dB/oct(条件による)のSRS勾配を持つ試験が可能になります。
EMCは日本産業規格(JIS)では「電磁両立性」と表され、主に電気・電子機器から発する電磁妨害波が他の機器/システムに対しても影響を与えず、且つ他の機器/システムから発せられた電磁妨害波を受けても自身の動作に影響を及ぼさないこととされています。
EMCは、機器/システムから発する電磁妨害波に対する要求「EMI(Electro Magnetic Interference)- 電磁妨害 -」と他の機器/システムから発せられた電磁妨害波に対する耐性「EMS(Electro Magnetic Susceptibility)- 電磁感受性 -」とに分けられています。前者は「エミッション」、後者は「イミュニティ」とも呼ばれます。
EMIは放射エミッションと伝導エミッションに大別されます。放射エミッションでは、被試験装置を電波暗室内のターンテーブル上に設置して360°回転、10m(3m)の距離にある受信アンテナの高さを1m~4mまで変化させてEMIレシーバで受信レベルを観測し、最大となったところでこれを記録します。(規格によって異なる)
伝導エミッションは、電源ラインに重畳されたノイズは主に擬似電源回路網(LISN, AMN)で、LANなどの通信ラインに重畳されたノイズはインピーダンス安定化回路網(ISN, AAN)を介してEMIレシーバで測定されます。
イミュニティ試験では妨害波を意図的に機器/システムに与えてその耐性を評価しますが、アンテナから照射する方法が放射イミュニティ試験、専用の回路網などを使用して電源ラインなどに印可する方法が伝導イミュニティ試験と呼ばれています。
また、IEC 61000シリーズやISO 11452シリーズでは静電気放電イミュニティ試験、電気的ファストトランジェント/バースト試験、サージイミュニティ試験、電源周波数磁界イミュニティ試験、電圧ディップ,短時間停電及び電圧変動に対するイミュニティ試験などのイミュニティ試験も規定されています。
車両、車載機器に対するEMC試験は、EMIについてはCISPR規格が、EMSについてはISO規格が主に使用されていますが、その他にも各自動車メーカーが独自に定めている規格もあります。またECE-R10の様に国際連合が発行する試験要求も存在するため、試験を行う際には試験条件をよく確認する必要があります。
SMFLレンタルでは、提携パートナーとの協働により試験環境の提供も行っています。
CISPR 12はエンジン/電気/または両方で駆動する車両/ボート/その他の機械から放射される電磁波の不要輻射に関する限度値とその測定法を定めており、CISPR 25は自動車に搭載される全ての電気/電子部品やモジュールから発生する妨害波から同車内の受信機を保護するための推奨限度値とその測定法が定められています。
自動車に搭載された様々な電気/電子部品の誤動作は、その程度により軽度の問題から大事故につながる問題まで様々な影響をもたらします。これらの部品/モジュールは、車外から及び他の電気/電子デバイスから放射された電磁波による干渉への高い耐性を持つことが必要になります。
ISO 11451シリーズは車両、ISO 11452シリーズは車載部品(ESA)についてその耐性を試験します。
工業用, 科学用及び医療機器のエミッション | CISPR 11, BS EN 55011 |
家庭用電気機器, 電動工具及び類似装置のエミッション | CISPR14-1, BS EN 55014-1 |
家庭用電気機器, 電動工具及び類似装置のイミュニティ | CISPR14-2, BS EN 55014-2 |
電気照明及び類似機器のエミッション | CISPR15, BS EN 55015 |
マルチメディア機器のエミッション要求事項 | CISPR32, BS EN 55032 |
マルチメディア機器のイミュニティ要求事項 | CISPR35, BS EN 55035 |
一般財団法人 VCCI協議会が定める自主規制措置運用規定 | VCCI 32-1 |
車両, 小型船舶及び内燃機関のエミッション(車載受信機保護のための限度値及び測定方法) | CISPR25 | |
伝導過渡妨害のエミッション | ISO 7637-2 | |
車載機器のイミュニティ | 無響室法(ALSE) | ISO 11452-2 |
TEMセル法ISO | 11452-3 | |
BCI法 / TWC法 | ISO 11452-4 | |
BCI法 / TWC法ISO | 11452-4 | |
ストリップライン法 | ISO 11452-5 | |
直接電力注入法 | ISO 11452-7 | |
低周波磁界試験(磁界イミュニティ試験) | ISO 11452-8 | |
近接照射イミュニティ試験 | ISO 11452-9 | |
低周波イミュニティ(リップルノイズ試験) | ISO 11452-10 | |
リバブレーション・チャンバ | ISO 11452-11 | |
静電気放電試験 | ISO 10605 | |
過渡電圧伝導サージ | ISO 7637-2 | |
過渡電圧結合サージ | ISO 7637-3 | |
電源電圧変動試験 | ISO 16750-2 |