直流安定化電源とは一般に、商用交流電源から安定した直流電圧(又は電流)を作り出す装置です。
交流で動作している製品であっても、多くの場合、内部に使われている電子回路は直流で動作するようになっています。
そこで交流を直流に変換して、電子回路に適した電圧と電流を供給する装置として、直流安定化電源が多く使われています。
他には次のような用途にも使用されます。
直流安定化電源は、入力電圧が変動しても出力電圧(又は電流)は変動しません。
また、負荷が変化しても出力電圧に影響しないといった特徴もあります。
上記のような回路において、可変抵抗の抵抗値を増加させた場合、電流はどのように変化するか考えます。
電池は常に一定の起電力を持つため、回路の電圧Vは一定になります。
そのため可変抵抗の抵抗値Rを高くした場合は、オームの法則V=RIに基づき、電流Iが小さくなります。
定電流モードに設定した直流安定化電源を使用すると、抵抗の増加を検知して電圧Vを上昇させ、電流Iが一定となるように制御されます。
直流安定化電源には大別すると、「スイッチング方式」 「シリーズレギュレータ(ドロッパ)方式」があります。
PAT40-200T、HX-S-060-200G2など
小型軽量を特長とする製品です。出力容量当たりの実装効率に優れています。
出力にリップルノイズ(数ミリ〜数100ミリ)がのるため、負荷によっては適さない場合もあります。
PAN35-5E、PW18-1.8AQなど
低リップルノイズが特長です。
トランスを使用しているため同容量で比較した場合、スイッチング方式の製品よりも容積が大きく、重くなります。
項目 | スイッチング方式 | シリーズレギュレータ(ドロッパ)方式 |
---|---|---|
安定度 | 普通 | 高い |
リップルノイズ | 大きい | 小さい |
応答速度 | 普通 | 速い |
外形寸法 | 小さい | 大きい |
質量 | 軽い | 重い |
※写真はHX-S-0500-24G2FIです。